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2016/07/28

「除葉」


椀子(マリコ)ヴィンヤード、園田です。
長野県上田市にある我々の圃場にも真上に近い角度から、強烈な日差しが照りつけるようになりました。時々オーブントースターの中に自分がいるような錯覚に陥りながら、我々の皮膚は次第にトーストのようにこんがりと焼けていきます。


この時期、我々が主として行う作業のひとつが、除葉(じょよう)です。
除葉とは、読んでそのまま『葉を除くこと』で、果実の周辺の葉をプチプチとむしっていく、非常に地味ですがとても大事な作業です。
除葉作業の目的は、ブドウの房の風通しを良くすることと、程よく太陽光をあてることです。この作業によって収穫時期まで病気や害虫の発生をできるだけ防ぎ、また健全に色濃く(赤ワイン用品種の場合)熟したブドウが期待できるのです。


除葉前のブドウ垣根はこのような状態で、房は葉に隠れて房同士も絡まりあっています。



我々の畑ではブドウ品種や目的とするワインの性質によって、細かく除葉方法を分けています。極めて簡単に言ってしまうと、色づきを良くしたい赤品種の除葉はしっかりと、酸味や香りを大事に残したい白品種は控え気味に、といった感じです。


写真はシラーという赤ワイン用の品種で、割合しっかり目に除葉することにしています。
除葉を行いながら絡んだ房をほどいていくと、このようにすっきりとした姿になります。



当園のシラーから作られるワイン(シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード シラー※)は大変に有り難いことに、社内外から次第に注目されてきています。我々もさらに良いブドウを生産するべく、管理作業には気合いが入ります。


なかなか進まず、暑い中じりじりと体力を奪われる作業ですが、振り返り、木漏れ日を浴びながらそよ風を受けているブドウたちを見るのは気持ちのいいものです。


(※シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード シラー:地域限定発売品。)

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