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2021/02/24

椀子ソーヴィニヨン・ブラン ミッドナイト・ハーベストの小旅行

皆さんこんにちは。シャトーメルシャン 椀子ワイナリー ワインメーカーの鎌田偉成(かまた たけなり)です。冬期の椀子ヴィンヤードは、強い風が吹き抜け厳しい寒さとなりますが、標高650mの小高い丘の上から眺望する周りの山々の冬景色は感慨深いものがあります。


椀子ヴィンヤードから見る冬景色。雪をかぶった山々の眺望は圧巻です。

現在、椀子ヴィンヤードでは剪定作業を、椀子ワイナリーではワインの貯酒管理を主に行っています。秋の収穫から仕込み作業が終わり、ひと段落する間もなく冬の作業がそれぞれ始まっています。

今回は、私が主に栽培を担当しているソーヴィニヨン・ブラン(SB)について、「椀子ソーヴィニヨン・ブラン ミッドナイト・ハーベスト バレル・ファーメンテッド」を例に、栽培から醸造までの造りの過程を旅行に見立てて紹介したいと思います。それぞれの作業でポイントとなる取り組みを、旅する気持ちで見ていただければと思います。


Flight 1. 区画を列単位でゾーニングして厳選
広大な椀子ヴィンヤードのうちソーヴィニヨン・ブランの畑は約2haです。その半分の1haが北側の区画、半分が南側の区画にあり、従来も、ポール・ポンタリエ氏(※)のアドバイスをヒントに、北側と南側の区画を分けて仕込みを行っていました。最近では、さらに区画内の列単位にまで細かく分けて仕込みを行っています。区画を分けるポイントは、香り(アロマ)と味わい(フレーバー)です。畑の土壌硬度や樹勢の強さ、サンプリングの分析データに加え、ブドウの味わいの違いも確認しながら列単位で細かくゾーニングをしていきます。
※1998年から2016年まで、シャトー・メルシャンの醸造アドバイザーに就任いただいた、シャトー・マルゴーの総支配人兼最高醸造責任者。定期的な技術ミーティングを重ね、シャトー・メルシャンの目指す「フィネス&エレガンス」の実現にご尽力頂きました。

Flight 2. 収穫時間へのこだわり
ワイン造りにとって収穫期(収穫日)の決定は、非常に重要ですが、SBやシャルドネでは、日単位からさらに踏み込み、時間単位での収穫を実践しています。昼間に作り出した養分をたっぷり蓄えた真夜中に収穫することで、香り豊かで、冷えた状態のブドウの収穫を目指しています。


ミッドナイト・ハーベストの様子その1:深夜の2時ごろからヘッドライトを装着して、短時間で一気に収穫します。


ミッドナイト・ハーベストの様子その2:収穫が終了するころ、日の出となります。

Flight 3. 収穫したらすぐ仕込む
収穫したブドウは、早朝にワイナリーに運びこみ、全員で素早く破砕作業(ブドウを絞り、果汁を取ります)に取り掛かります。2019年に畑の中にワイナリーが出来たことにより、実現しました。


仕込みの様子:収穫したブドウは、ワイナリーに運び、素早く仕込みを開始します。

Flight 4. 味わいに更なる複雑味を
現在、ワイナリーでは、発酵後の白ワインの管理のひとつである、バトナージュという作業をしています。これは発酵終了後の樽の底面に沈殿した滓をL字型の棒(バトン)を使用して攪拌する作業です。滓とワインを接触させることにより、滓の成分がワインに移り、味わいの厚みや膨らみを与えることが目的になります。


バトナ―ジュ:樽の底面に沈殿した滓をかき混ぜ、ワインに厚みや複雑味を与えます。

「椀子ソーヴィニヨン・ブラン ミッドナイト・ハーベスト バレル・ファーメンテッド 2019」は、椀子ワイナリー限定で販売をしております。数量限定になりますが、ワイナリーにお越しいただいた際は、椀子ヴィンヤードの風景と共にワインを楽しんでいただけたら幸いです。
 

■シャトー・メルシャン 椀子ソーヴィニヨン・ブラン ミッドナイト・ハーベスト バレル・ファーメンテッド 2019 (椀子ワイナリー限定販売)
 販売価格 5,000円(税込み)

*この商品は椀子ワイナリーセラードアのみの販売となります。
*在庫には限りがございますので完売の際はご了承願います。

椀子ワイナリーの営業日カレンダーは下のリンクからご覧ください。
https://club.chateaumercian.com/_var/winery/mariko_calendar.pdf

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