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2020/09/01

「穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ」の生産者訪問に行ってきました。

穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズの生産者訪問に行ってきました。
シャトー・メルシャン 技術課の高瀬です。
山梨県韮崎市穂坂地区のマスカット・ベーリーAの生産者である横内さんと猪股さんを訪問し、2019年に醸造したワインの品質のフィードバック、2020年の収穫に向けた意見交換を行いました。


お二人の畑で収穫されたブドウを使い2019年に仕込んだワインを比較しながら、
テイスティングし、2020年の取り組みの内容について意見交換をしている様子

お二人の畑で収穫されたマスカット・ベーリーAを用いて、ワイナリー限定品である「穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ」を生産しています。
山梨県韮崎市穂坂地区は甲府盆地北西部に位置し、標高450-550mの南アルプスを望む丘陵地帯です。鉄分を多く含んだ粘土質土壌、昼夜の温度差が大きいため、色づきが良く、しっかりした酸と豊かな果実感が特徴のマスカット・ベーリーAが収穫できる、山梨県内でもブドウ栽培の歴史のある地域です。

マスカット・ベーリーAワインの特徴香として、熟したイチゴのような香りがあることが知られています。その香気成分の名前はフラネオールと呼び、興味深いことにブドウの収穫時期を遅くし、熟度が高まるほど、果実中の含有量が増えることが知られています。
そのため、我々は熟度が高く、熟したイチゴのような香りを豊かに含むブドウを収穫するために、横内さんと猪股さんに協力頂き、我々が仕込む穂坂地区のマスカット・ベーリーAの中で、一番最後に収穫し、仕込み分けをする取り組みを行っています。この取り組みは、2009年から開始し、2020年で11年目になります。
「穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ」は、2017年まではお二人がそれぞれ管理される優良な2園を混ぜて仕込んでいました。

実は、2018年からは畑の特徴をより理解するために、それぞれの園毎に仕込み分けをする取り組みを行っています。仕込み分けされたワインは、毎年お二人にテイスティングして頂き、品質の更なる進化のために意見交換しています。



毎年、香り豊かでスパイシーなニュアンスをもつマスカット・ベーリーAが出来る横内さんの畑の様子。


小ぶりな房をつけ、毎年濃厚でしっかりした味わいのマスカット・ベーリーAが出来る猪股さんの畑の様子。

「穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ」は、醸造したワインを約2年間、オーク樽の中でじっくり育成し、より複雑で豊かな味わいに仕上げていきます。そのため、2020年現在の最新ヴィンテージは2017年となり、仕込み分けを始めた2018年ヴィンテージは2021年発売を予定しています。
お客様に毎年の進化を感じて頂けるように、ブドウの生産者の皆さんとともに今後も新しい取り組みを続けていきます。

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