玉諸甲州きいろ香に用いる甲州ブドウにグリーン笠をかけました
シャトー・メルシャン 技術課であり、ワインメーカーの高瀬です。
長い梅雨がようやく明け、暑い夏がやってまいりました。これまでなんとなく元気がなかったブドウ達は、太陽を浴びることで、急速に成熟が進んでいます。2020年の仕込みがとても楽しみです。
今回は、「玉諸甲州きいろ香」の甲州ブドウの産地である甲府市玉諸地区にて、甲州ブドウにグリーン笠をかけた時の様子を紹介します。
「玉諸甲州きいろ香」に用いる甲州ブドウは、この一帯に点在する十数カ所のブドウ畑から供給されています。2020年は、その内の一つの畑にグリーン笠をかけました。面積が最も広く、かつ良質な甲州ブドウを産する畑です。
ブドウの笠かけは、一般的に雨からブドウを守り、病気を防ぐことが目的です。しかしながら、このグリーン色の笠をかけることで雨からブドウを守ることだけではなく、ワインに苦みや、甲州きいろ香の特徴の1つである柑橘様の香り立ちに悪影響を与えるポリフェノールの蓄積を低減することが出来ます。
今年は、キリンビールの山梨支店やメルシャンの関信越支社の有志の皆さんが、笠かけ応援に来てくださいました。コロナウイルス感染拡大防止の観点から、首都圏からの移動が制限されていたため、例年募集していたキリングループ内のボランティアを集めることが出来ずに困っていたところに、お声がけ頂き、誠にありがたく思っております。この場を借りて御礼を申し上げます。
このように、グループ社員一丸となり、お客様に毎年進化した「玉諸甲州きいろ香」を味わって頂けるよう、活動を続けています。
「玉諸甲州きいろ香」は、2003年にソーヴィニヨン・ブランで造られた白ワインで感じる「柑橘様の香り」が甲州ワインにも含まれていることを偶然発見したことがきっかけとなり、2004年にファーストヴィンテージがリリースされました。
当時の甲州ワインというジャンルにおいて、全く新しいスタイルを提案したワインです。2020年で17年目のヴィンテージになりますが、今回紹介したグリーン笠のように、毎年少しずつではありますが、新しい取り組みを積み重ねています。
もちろん、今年もグリーン笠以外にもいくつか新しい試みを始めてみる予定です。今後の「玉諸甲州きいろ香」の進化にご期待ください。
1房ずつ、丁寧にグリーン笠をかけていきます。
グリーン笠をかける前の甲州
グリーン笠をかけた甲州
笠かけ応援に来てくださったキリンビール山梨支店とメルシャン関信越支社の皆さんと一緒に