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2021/10/21

ユナイテッドアローズ×シャトー・メルシャン。コラボ第2弾の背景にある、ファッションとワインの共通点。それぞれの産地への想いとは?

昨年、大好評だった「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル」。今年も日本ワイン発祥の地・勝沼からのオンライン配信を中心に、11月5日(金)から7日(日)の3日間、「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル2021」(以下、勝フェス)を開催します。5日の前夜祭では、イギリスとも中継を結び、日本ワインの魅力を世界に向けて発信していきます。

▼シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル 2021の詳細はこちら▼
https://www.fes.chateaumercian.com/
※文末にも詳細を記載しております。

コンテンツも前回以上にパワーアップ! 参加ワイナリーの数は4ワイナリーから10ワイナリーへ。シャトー・メルシャンを含む11ワイナリーが集まってのトークイベントは必見です。

そして、昨年、話題を呼んだ「ユナイテッドアローズ×シャトー・メルシャン」のコラボレーションTシャツに続き、今年はコラボレーションポロシャツを制作。人気セレクトショップとワイナリー、畑は違えど、ものづくりの思いを同じくする両社ならではの特別なアイテムが完成しました。

そこでふたたび、お互いのどんなところに共感したのか、またポロシャツの制作秘話など、ユナイテッドアローズのご担当者である営業統括本部 R&D部 開発推進課 課長、岩野徳郎さんに、シャトー・メルシャンのチーフ・ブランドマネージャー神藤亜矢から、お話を伺いました。
 

接客のホスピタリティそのままに、コラボでも「リアルスタイル」を追求


(お話を伺ったのは、株式会社ユナイテッドアローズ 営業統括本部 R&D部 開発推進課 課長の岩野徳郎さん)

神藤:1974年から毎年、シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーが行ってきたハーベスト・フェスティバルを、昨年はオンライン配信に切り替えて開催しました。コロナ禍で現地に集まることはできませんでしたが、約9000人の視聴者が画面越しに参加してくださり、すごく盛り上がりました。

参加する場所は違っても、一体感が生まれたのは、ウエアの力が大きかったと思います。どこを見ても、誰を見ても、ユナイテッドアローズさんとコラボしたTシャツを着ている。ご自宅でもワインを片手に同じTシャツを着ているという一体感が、イベントを一つにしてくれたんです。ワインではできなかったことだと、あらためて感謝しています。

岩野さん:めちゃくちゃうれしいです。それを聞いて、興奮して鳥肌が立ちました。昨年は、私も自宅から妻とワインを飲みながら勝フェスに参加させてもらいましたが、本当に一体感を持って楽しむことができました。ちょっと肌寒い時期ということもあり、中にいろんな色の長袖インナーを着ている人たちもいて、同じものではあるんですが、着こなしに多様性があったのも見ていて楽しかったですね。

神藤:そして、去年に引き続き、今年もユナイテッドアローズさんにコラボレーション限定アイテムをつくっていただきました。今年はポロシャツです!
ポロシャツにした理由は2つあります。1つは、普段、ワイナリーのスタッフが襟付きのポロシャツを着ていること。「ワインの造り手に近いアイテムで視聴してくださるみなさんと一体感を得てはどうか?」というアイデアが出たんです。

もう1つは、みんなに似合うウエアをつくりたいと思いました。今年は、近隣の10ワイナリーがフェスティバルに参加してくれますが、年齢も立場もバラバラな人たちみんなに似合うアイテムって、何だろうと。それで、「今年はポロシャツってありでしょうか?」と、岩野さんにご相談させていただきました。

岩野さん:ユナイテッドアローズでは、「Produced by United Arrows」という法人サービスを立ち上げ、前回同様、このセクションでポロシャツをつくらせていただきました。

常に大切にしているのは、企業様のストーリーを理解し、ご要望を汲みながら、ブランドの価値を向上させることです。うちはもともと小売業ですから、接客の際、「これが今の流行りですからおすすめですよ」というご提案は絶対にしません。われわれは「リアルスタイル」と呼んでいますが、お客さまがどんな目的やニーズを持っているのか、それをていねいにヒアリングしたうえで、その方にもっとも似合うものをセレクトする。法人サービスもそれは同じだと思っています。

今回、神藤さんから、「お客さまに安心感を与えるような、きちんとした格好で対応することがワイナリーの姿勢としてある」と伺ったので、シャトー・メルシャンさんの哲学でもある、“上質感”や“エレガントさ”を軸にデザインを進めていきました。


 

ユナイテッドアローズとシャトー・メルシャンの親和性



(シャトー・メルシャンのチーフ・ブランドマネージャー神藤)

神藤:できあがったポロシャツを見て、震えました。私たちはファッションの素人なので、「ポロシャツがいいな」ぐらいだったんですけど、岩野さんからのご提案というのが、きちんと感のあるボタンダウンとか、胸ポケットのあしらいとか、左袖の両社のロゴがまさかの刺繍とか。ボタンの位置に至るまでのディテールのこだわりがさすがで、一流ブランドを扱われているユナイテッドアローズさんのご提案というのは、私たちの期待のだいぶ上をいくと感じて、やりとりに毎回、興奮していました。

シックな黒というのも、みんなに似合う色を考えたとき、「黒ってカッコいいよね」という思いが正直あったので、本当に願った以上のものをつくっていただきました。

岩野さん:黒は定番の色ではありますが、黒にもさまざまあり、艶っぽい黒ではちょっとやんちゃな感じになってしまうので、もっとエレガンスな黒、スミ黒に近いブラックを選びました。

左袖にシャトー・メルシャンと、当社のフラッグシップレーベルであるユナイテッドアローズのダブルネームで刺繍を配したのは、お互いのブランドの親和性が非常に高いと感じたからです。

ユナイテッドアローズで扱う服も、シャトー・メルシャンのワインも、生活必需品ではありません。でも、着たり、飲んだりすることで、非日常の豊かさや上質感、高揚感を味わうことができる。われわれはほかにもたくさんのレーベルを持っていますが、人生の付加価値の大切さをお伝えできるブランドとして、ユナイテッドアローズがもっとも相性がいいと感じたんです。

そして、もう1つ。トラッドな伝統を保ちながら、今の時代のニーズに昇華させていくというのが、ユナイテッドアローズというレーベルがものづくりにおいてもっとも大切にしていることです。それをワインに見立てると、シャトー・メルシャンさんの「日本ワインの伝統を守りながら、時代に合わせて進化させる」という思想とぴったり合うと思いました。

神藤:それは、一番うれしいお言葉ですね。

岩野さん:特に、「産地と共生し、産地を盛り上げる」という勝フェスのコンセプトに深く共感しています。というのも、われわれもプロダクトを通じて地域創生を意識しているからです。

たとえば、愛知県西部を中心とする「尾州」という、奈良時代からの毛織物の産地があるんですね。しかし、経済成長により価格競争になり一時は産業が縮小する状況がありましたが今は工場それぞれの個性を生かし産地として盛り返していると伺っています。そこで弊社も日本の良いものを多くの方に届ける為にも尾州でおられた生地でスーツに仕立て、BISHUという名でユナイテッドアローズのスーツの一部を生産販売させていただいております。その取り組みが勝フェスと非常に相通じるところがあるなと。

神藤:まったくそうですね。勝沼にも100年以上の歴史を持つたくさんのワイナリーがあり、その多くが家族経営で、小さいけれど、自分たちのものづくりをがんばってきました。ワイナリーに来ていただいて、楽しんでいただいて、そこで消費していただくのがビジネスモデルの定番スタイルなので、このコロナ禍で本当に大きな打撃を受けました。

でも、去年、ユナイテッドアローズさんとご一緒できて、同じTシャツを着て、その先にオンラインで9000人の視聴者のみなさんが見てくれていることが実感としてあったので、今回、お声がけする範囲を広げたら、全員が即答で「ぜひ、一緒にやらせてください!」と。そういう造り手の顔が浮かぶからこそ、今年はみんなに似合う共通のアイコンがほしいと思ったんです。

普段、そんなにおしゃれをしない人でも、誰もが知っているブランドとコラボレーションしたウエアがあること。それがまた元気をくれるというか、お洋服の力で産地を元気にしてくださる、光を当ててくださると感じています。

あのポロシャツ、ワイナリーさんにもすごく好評で、あちこちから「早く着たい!」と言われているんです(笑)。今は収穫が終わり、次のワインの仕込みでみんなすごく忙しいんですけど、並行して日々打ち合わせをし、勝フェスの準備をしているところです。


 

ファッションとワインの最大の共通点は?

神藤:ユナイテッドアローズさんとのコラボは勝フェスにとどまらず、昨年の出会いをきっかけに、この春、ユナイテッドアローズの新入社員さんを対象にしたワインセミナーを提案させていただきました。ファッションに関しては十分な教育を受けられると思いますが、若い方々にワインの基本やマナーを知っていただき、自分を高める強みにしてもらえたらと思ったからです。

岩野さん:今回、新入社員研修のカリキュラムの1つとしてワイン研修を組み入れたところ、非常に反響が大きかったです。ファッションとは角度を変えたものづくりのすばらしさはもちろんのこと、スマートにたしなむことで得られる喜び、豊かさを伝えていただき、教育担当者も感服していました。もっとも印象的だったのは、ファッションにTPOが大事なように、ワインにもTPOが大事なんだということ。新入社員もそれが腑に落ちたというか、新しい価値観を身につけた様子でした。

神藤:TPOに合わせて着るものやワインを選ぶ。これは共通言語ですよね。特に若い方はこれから世界に行かれることがあると思いますが、食事の席では必ずワインが出てきます。そのとき、少しでもワインの知識があれば、臆することなくその場を楽しむことができますし、周囲からの見られ方も変わると思います。

岩野さん:ファッションもまさしくそうです。今はファッションルールのボーダーレス化も進んでいますが、ボーダーレスになればなるほどTPOを知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあると思います。「外し」と「外れ」は全然違っていて、基本を知ってわざと「外す」、アレンジするのは個性になるのに対して、所作も含めて「外れ」はとても恥ずかしいこと。そこをはき違えてしまうと、お客さまのブランドへのモチベーションまで下げてしまうことになりますから、それだけは絶対に避けなければなりません。

神藤:基本を知っていることで、逆に助けられることもありますよね。自分に自信を持てるというか。

岩野さん:それは大きいですよね。セルフブランディングの一環だと思います。「洋服を自分を守る武器にしてほしい」と常々思っていて、ファッションもワインも、身につけた知識や教養をぜひ味方にしてほしい。海外に行くと、ワインは特にその人の知識や教養として見られるのではないでしょうか?

神藤:それこそいろいろな国の外国人がいますから、政治・宗教の話はタブー。でも、ワインの話なら基本的にみんなハッピーなんですよ。たとえば、アメリカでニュージーランド出身の人と同席したら、「私、ニュージーランドのワイン大好き! 日本でもワインを造ってるんだけど、知ってる?」みたいな。詳しい話をしなくても、日本人なら日本のワインの話を1分くらいはできるようになってほしいというのが私たちの願いです。

さて、最後に、今年の勝フェスに向けてメッセージをお願いします。

岩野さん:ワインを楽しむことはもちろん、コロナ禍の今、地域を盛り上げ、産地を活性化させる大切さを感じながら参加していただくと、現地に届く熱量も違ってくるのかなと思います。

ポロシャツはシンプルなデザインかつ、柔らかくて着やすい素材にしていますので、勝フェスだけでなく、日常のさまざまなシーンでも着ていただければ。そのときも、「産地を応援する」という誇りを心の片隅に持ってもらえたら、造り手としてこれほどうれしいことはありません。

ちなみに、ボタンは上まで留めても品よく見えますし、1つ開けても、第2ボタンの位置が少し高めになっているので、非常にきれいに着こなせると思います(笑)。

神藤:ありがとうございます!

「日本を世界の銘醸地に」をビジョンに掲げるシャトー・メルシャンとしては、勝フェスで成し遂げたいことが2つあります。1つは、勝沼のワイン生産者が一丸となってがんばっていることをお客さまに見える形にすること。そのためにも全員が同じものを着て、一緒になる瞬間をビジュアルに残したいし、視聴者のみなさんにも一体感を体験してもらい、記憶に残していただきたいと思っています。

もう1つは、世界とつながること。前夜祭では海外とも中継を結ぶんですが、実は向こうにもこのポロシャツを送っているんです。当日は世界の仲間がこれを着て画面に出てくれると思うので、日本のワイン造りの取り組みを伝え、「日本を世界の銘醸地に」の一歩にしたいです。

そして、そのすべてをみなさんとシェアできたら! ポロシャツも入った「おうちで勝フェスキット」をぜひ手にしていただき、一緒に盛り上がりましょう!

▼おうちで勝フェスキットのご購入、詳細はこちらから▼
https://drinx.kirin.co.jp/wine/chm/katsufes21/

今回ご紹介した「ユナイテッドアローズ×シャトー・メルシャン コラボ限定ポロシャツ」の他、山梨県産甲州、山梨県産マスカット・ベーリーAの赤とロゼ(ロゼは勝フェスのための限定醸造)からお好きなものを選べる「日本の新酒」や、勝フェスオリジナルてぬぐい、勝フェスオリジナルステッカーなど、ご自宅にいながらフェスティバル会場との一体感を楽しめます!

■「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリーフェスティバル2021」の概要について
・前夜祭:11月5日(金)19:00~20:30
・Day1・Day2:11月6日(土)、7日(日)11:00~16:00(予定)
・開催場所:YouTubeおよび「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」(山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1)
・開催形式:YouTubeによる無料オンライン配信

※一部の有料セミナーは、Zoomによるオンライン配信を予定。
※一部のプログラムは、「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」での開催も予定。
※新型コロナウイルスの感染拡大状況に応じて、勝沼ワイナリーでのプログラムは変更・中止となる場合があります。

【特設サイト】
https://www.fes.chateaumercian.com/

■勝フェス参加10ワイナリー
“日本を世界の銘醸地に”という志に共鳴し、昨年から参加いただいている「勝沼醸造」、「丸藤葡萄酒工業」、「蒼龍葡萄酒」、「ダイヤモンド酒造」の4ワイナリーに加え、新たに「くらむぼんワイン」、「シャトレーゼベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー」、「原茂ワイン」、「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」、「マンズワイン」、「盛田甲州ワイナリー/シャンモリワイン」の6ワイナリーが新たに参画します。計10ワイナリーと協業し、「シャトー・メルシャン」を含む11ワイナリーが集まってのトークイベント、いろいろなテーマのコンテンツへの参加の他、各社のワインを特別セレクトした「勝フェス厳選ワインセット」の通信販売を実施しています。

【勝フェス厳選ワインセット】
https://www.shop.chateaumercian.com/shopbrand/fes-wine/

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